(7)考古学的な視点
・化石が物語るもの
少しSF的な話に寄ってしまったので、今回は考古学・自然人類学などによる見方を紹介します。宇宙人により知的生命体が生み出されたという説の一方、世界中から様々な化石が発見され、その時代もかなり特定できるようになってきました。この分野がもっと進めば「やはり人類は猿から徐々に進化したんだ」または「ある時猿人が遺伝子操作を受けて突然知的生命体になったとしか考えられない」など、もっと明らかになる部分が出てくるでしょう。現状はというと、、いろいろ分からないことも多いようです。
・人類学
人類学においては240万年ほど前に猿人アウストラロピテクスの仲間から別れた系統がホモ・ハビリスと呼ばれる小さな原人に進化したといいます。
さらにその後、200万年ほど前に例の原人、ホモ・エレクトスなどに進化したといいます。ホモ・エレクトス類はアフリカから出て世界に広がりました。ジャワ原人や北京原人もこの類に含まれます。ホモ・エレクトスはその後の新人と共通の祖先を持つものの、新人とは系統を別ち、新人につながることなく絶滅したようだというのが今の主流説です。ホモ・エレクトスの亜種もしくは近似種とされているホモ・エルガステル(Homo ergaster)と呼ばれる原人が新人につながる最初期のヒト類なのではないか?とされています。このホモ・エルガステルはアフリカはケニアのトゥルカナ湖から160万年前の少年の全身骨格が発見され、トゥルカナ・ボーイ(Turkana Boy)と名付けられたものが代表的です。
ホモ・エルガステルのトゥカルナ・ボーイ(推定11歳)
またホモ・ハイデルベルゲンシス(ハイデルベルク人)という60万年前から40万年前にドイツのハイデルベルクに居たとされる原人が発見されました。ホモ・エレクトスに比べ脳容量が大きいため、より人間的な行動をとることができたと想像され、ホモ・エレクトスではなく別種とされています(一部に亜種という考え方もあり)これも新人につながる種であるという説があります。
ホモ・ハイデルベルゲンシス(ハイデルベルク人)
そして25万年前頃にはついにホモ・サピエンスが登場したとされています。ただ、ホモ・サピエンスの全てが現生人類につながるわけではないようです。また25万年前から2万4000年ほど前まで存在した有名なネアンデルタール人はホモ・サピエンスとは別の進化をした種なのか、ホモ・サピエンスの中の亜種なのか議論されており判っていません。いずれにしても原人が進化してネアンデルタールになりそれが進化してクロマニヨン人になったという昔の進化論とは変わってきており、ホモ・サピエンスもネアンデルタールも同じ祖先から枝分かれしたということになっています。
・原人の世界への拡散
猿から別れた猿人アウストラロピテクスは、アフリカで誕生し、アフリカから出ることはありませんでした。しかしその後200万年ほど前に原人ホモ・エレクトス類が誕生すると、彼らは長い長い時間をかけて進化をしながらとうとうアフリカの地を離れて北上します。180万年前~100万年前には中近東を経て北はヨーロッパ、東はアジアに広がってゆきました。150万年前から100万年前頃には、ヒマラヤ山脈の東を回って東南アジアに達しています(100万年前のジャワ原人)。さらにそこから北上した一派は60万年前~50万年前には中国へ達していました(北京原人)時代の特定は難しいものの、彼らの子孫はその後日本列島にも達した可能性が有ります。新人ホモ・サピエンス(現生人類)の仲間が誕生し、アフリカを離れる10万年前の事になりますが、それより古い時代に日本に人類が居た痕跡が見つかるためです。
現生の人類ホモ・サピエンスの中でも、「ホモ・サピエンス・サピエンス」という種の化石はエチオピアのオモ遺跡で見つかった19万5000年前のものだとされてきました。しかし最近、2004年になってモロッコのJebel Irhoudの地層で発見された頭蓋骨及びその同年代のもの思われる複数の石器が、30万年前のものであると結論づけられ2017年6月のNatureに発表されました。これは現生の人類のものであり、最古のものであるといいます。ホモ・サピエンス登場の年代も30万年前にさかのぼれることになり、出現期がよく分からなくなってしまいました。
またエチオピアのヘルト・ボウリという場所で東大の諏訪元らのグループが1997年に発見した「ホモ・サピエンス・イダルトゥ」という種の化石は先のホモ・ハイデルベルゲンシス(ハイデルベルク人)から進化したホモ・サピエンス類で、放射年代測定により16万年前とされています。日本ではヘルト人と呼ばれています。
ホモ・サピエンス・イダルトゥ(ヘルト人)
現生のホモ・サピエンス・サピエンスはアフリカ大陸で誕生した後、10万年前までの間に現生人類に進化し、そこから世界に旅立っていったと言われています。もちろん世界中、日本にも現生人類以前の原人などが既に広がっていたと推測されます。しかし現生の人類=「生き残った種」はあくまでもアフリカ大陸の中で約10万年前までの間に現生人類に進化し、その後世界に広がったのであって、世界各地の原人などが、それぞれ各地で進化したわけではない。という考え方なのです。
しかし、なぜ新しい系統(突然変異による進化とされる)は
いつもアフリカで誕生し、そこから世界に広がってゆくのでしょうか。
広がった先の各地(例えばアジアとか、、)で独自の変化を遂げるものも
当然いたのでしょう。しかし生き残れず現生人類にはつながっていない、、、
何か不自然なものを感じなくもないのです。
・人類の祖先 ミトコンドリア・イブ
ミトコンドリアDNAは必ず母親から子に受け継がれ、父親から受け継がれることがありません。よってミトコンドリアDNAを調べれば、母親、母親の母親、さらに母の母の母の…と女系をたどることができます。カリフォルニア大学はできるだけ多くの民族を含む147人のミトコンドリアDNA塩基配列を調査しました。すると人類の系図は二つの大きな枝にわかれ、ひとつはアフリカ人だけからなる枝、もう一つはアフリカ人の一部と、その他すべての人種からなる枝であることが判明しました。これはすなわち全人類に共通の祖先のうちの一人がアフリカにいたことを示めしています。このように論理的に明らかにされた古代の女性に対して名付けられた名称をミトコンドリア・イブといいます。ダーウィンも推測した「人類のアフリカ起源説」を裏付ける形になりました。Y染色体は男子のみに遺伝する事から、将来的には男系のみを通じてたくさんの子孫を残したY染色体・アダム、が見つかる可能性もあります。
・アフリカで金鉱山を掘っていた(?)
人類は母方の家系をたどると、約12-20万年前に生きていた一人のアフリカの女性にたどりつく。。アフリカ。。アヌンナキの奴隷として金鉱山で働かされていたアダマの息子たち、初期の地球人類を思い起こしてしまいますね(また話がそっちに逸れてしまう)シッチンの説によればその後さらなるアヌンナキと地球人との交配によりアジア人やアーリア人などの初期地球人とは異なる生命が発生したわけですが、もし金鉱山で働いていた初期地球人たちが、アヌンナキが去った後そのままアフリカ大陸に残りネグロイドに進化したとしたら、、、これはこれで辻褄は合うように感じてしまいます。
つづく